目標管理制度の運用では、目標設定が最初の重要な作業となりますが、どのような目標であっても設定する際のガイドラインとして活用すると便利な「SMART」と呼ばれる標語があります。
「SMART」とは
これは「目標が備えるべきファクター」を示したもので、次の意味をもっています。
S | Specific | 具体的な |
M | Measurable | 測定可能な |
A | Aligned | 組織目標と整合した |
R | Realistic | 現実的な |
T | Time・bound | 期限付きの |
例えば、「○○製品の当期売上高を前期実績比30%向上させる。」と言う目標を掲げた場合、「SMART」でチェックすると「具体的で測定可能であり、期限は明確であるが、組織目標との整合性、現実的かどうかについては検討を要する。」ことになります。
「様々な目標について検討して見るとかなり多くのケースで「SMART」の有効性が検証できるでしょう。業績管理の視点ではA:Aligned(組織目標と整合した)が最も重要であり、このファクターが満たされていなければ、企業の戦略など、最上位の目標達成に対する期待貢献が曖昧になってしまいます。
目標のカスケードダウン
したがって、部・課など組織の目標、組織に所属する社員の目標が全て上位目標と整合していなければなりません。
そこで「目標のカスケードダウン(段階的細分化)」を行なうことによって、組織目標・個人目標の整合性を確保しなければなりません。
経営者の留意点
トップが「業績管理の最重要手段は目標管理である」と意思決定したからには、戦略目標からのカスケードダウンによる目標設定は欠かせない作業であり、管理者・一般社員を参加させ、おおいに議論させ、目標設定の課題を発見、解決策を話し合わせることで、組織目標・個人目標を整合させベクトルの一致を図りましょう。
同時に、組織・個人にとって、目標がストレッチ(頑張れば何とか手が届く)レベルに設定されるよう誘導し、合意形成を図るのは、トップ・管理者のマネジメントの腕の見せどころです。