記事投稿日:2013.06.25
売上高と雇用のID
直近の情報サービス産業の状況は、JISA主要企業団体の調査によると、底を脱したような数字がでています。
売上高ID | 雇用判断ID | |
2013年1月~3月 | +24.6ポイント | +13.1ポイント |
2012年1月~3月 | +21.2ポイント | -13.2ポイント |
2013年1月~3月の売上高IDは昨年同期比3.4ポイントプラス、雇用判断IDも昨年同期13.2マイナスからは急速に人員不足13.1プラスへと変化しています。
従業者一人当り売上高
経済産業省発表特定サービス産業実態調査によると、下表のように2年前まで一人当り売上高は伸びていません。
(売上単位:億円)
売上高 | 従業者 | 売上高/人 | |
2001年 | 137,039 | 565,115 | 2,425万円 |
2010年 | 188,437 | 912,284 | 2,066万円 |
伸び率 | 1.38 | 1.61 | 0.85 |
一人当り売上高は、2,425万円から2,066万円へ15.0%減少し、従業者が売上高の伸び率を上回って増えており、収益性は悪くなっています。
ソフトウェア開発業の倒産
2000年~2012年の間のシステム・ソフトウエア開発業者の倒産は1697件で、2012年は221件で過去最多と帝国バンクが報じています。1697件の内訳を見ると、業歴別では設立10年未満が45.6%、負債規模別では5千万円未満54.6%、5千万円~1億円未満15.7%、1億円~5億円未満23.5%、10億円以上は3.2%で小規模が多く占めています。
受託開発ソフトウェア業の生き残り策
受託開発ソフトウェア業界は、ユーザー企業が元請へ発注し、元請が2次請け、さらに3次請けへ発注する重層的な構造で、上層ほど収益性が優位です。一人当り売上高の伸びが期待できず、新卒採用等で規模を大きくし一人当り経費を薄めるか、特化した技術・分野を活かすのか、これが生き残り策の基本です。加えて、大企業ユーザーの取引口座を持っている企業をM&Aし、その口座を活用して重層構造の上位に登る生き残り策もあります。
掲載日時点の法令等に基づいて記載しており、最新の制度と異なる場合があります。