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2013年6月5日 “鈍感な現場”の改革

 “鈍感な現場”とは、問題が起こっても気づかず、自ら解決することができないか、問題に気がついてもその原因追求が甘く、改善に手間取る現場です。

 例えば、自社の商品やサービスに顧客が不満を持っていても、営業担当者が気づかず、たとえ気づいたとしても、その原因追求や改善がスピーディーに行われない、生産現場で不良品が発生しても、原因がなかなかつかめず、改善も進まない、といったような現場を言います。

“鈍感な現場”の害

 このような現場は自ら問題を発見したり、解決する積極的な姿勢や能力を持っていません。

 しかし、品質・コスト・安全などの問題は現場でなければ気付くことができず、改善のヒントを見つけることも出来ません。

 したがって、“鈍感な現場”をもっている企業は、自社の商品・サービスに対する顧客満足度を低下させ、無駄なコストをかけ、人材が育たないなどから競争力が低下し、結果として売上高・利益が減少し、衰退することになります。それは、多くの場合現場のリーダーシップの不足が根本的な原因です。

自己完結的現場への改革 

 “鈍感な現場”を生まれ変わらせるポイントは、「自己完結的な問題解決能力」をもつ現場にすることです。

 すなわち、自ら問題を発見し、原因を追求し、改善して効果を確かめる一連の問題解決行動を自分達の力でやり遂げることができる現場をつくることです。

 それには、トップが少なくとも次の対策を講ずるべきです。

1.現場リーダーとして、問題解決能力の高い、現場を引っ張る力量をもった人材を配置する。

2.現場の従業員に問題解決の基本的な知識・技法を学ばせる。

3.現場でスピーディーな対策の実行ができるよう思い切った権限委譲を行なう。

4.その上で、問題解決の経験を積ませる。

 このようにすると、トップが打ち出す経営戦略・競争優位確保の戦略をしっかり受け止め、自らがもつ自己完結的な問題解決能力を十分に使って、競争優位の経営戦略に貢献してくれる“打てば響く頼もしい現場”への改革が実現します。

掲載日時点の法令等に基づいて記載しており、最新の制度と異なる場合があります。
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