外部環境の変化にうまく適応して、自社の事業やその進め方を変化させ、競争優位を保とうとするのが経営戦略です。
近年の外部環境は、グローバルな激しい変化が短期的に次々と起こり、内需型事業であっても輸入品の影響を受けることがありますから、注意深くその変化を察知して、経営戦略をチェックし、機敏に対応して行かなければなりません。
かつての高度成長期には、右肩上がりの経済状況下で、一度立てた経営戦略の遂行状況を、しっかり管理していれば競争優位を維持したり、成長できるケースが多かったのに対して、現在では、TPP交渉、その他の貿易協定の行方によって、多様な激しい変化が起こりうる時代となり、成長期にあるアジア各国の市場をとり込んだ積極的な経営戦略が必要な時代になるなど状況が一変したのです。
戦略・組織・人事は三位一体
このような外部環境の変化に機敏に対応しなければ会社の存続が難しい時代には、それに相応しい組織をもち、そのリーダー・メンバーの人事配置を含めた組織・人事体制を整備しておくことが必要です。
そのためには、
・現在の組織は外部環境の変化に注意を向け、自社の戦略をチェックし、その変更ができる戦略的機能をもっているか、またはトップ自身がその機能を果たすことができているか、
・戦略的機能をもった組織がある場合、そこに求められる資質・能力がある人材が配置されているか、またはトップ自身がその人材となり得ているか、
など、戦略と組織・人事は一体として考え、戦略担当組織体制の整備・適性をもったリーダー・メンバーの配置を行うべきです。
それができない場合は、外部環境の変化にうまく適応できないか、対応できたとしても極めて非効率な対応により、事業の衰退を余儀なくされるでしょう。
外部環境変化とトップの留意点
どのような時代にあっても変わらざる本質・どこの市場であっても「顧客のお困り、ご不便を解決する自社の事業」に注意を払い、その点との関係から外部環境の変化を読みとり、競争優位に立つ戦略を維持・強化する方針をもって組織と人を育て、活用することに留意したいものです。