海外進出にあたり、自社の現状把握、進出目的の明確化が終わると、ある程度進出イメージが見えてきます。自社の現状把握に照らし合わせて進出可能性について、基本的な事項を検討して、進出計画をより具体的にしていく必要があります。この段階で現地派遣者をプロジェクトリーダーとして選定する必要があります。
今回は、進出可能性の検討と派遣者の選定について、解説します。
進出可能性の検討
進出計画を立案するにあたって、まず自社の現状、進出目的を踏まえて、次の事項について検討を加えます。
①自社の中長期的経営戦略との整合性
②自社の体制整備(派遣者の選定、専坦チームの組成、国内余剰員対策)
③資金調達手段(自己資金、金融機関借入、その他の調達、総予算額)
④会計事務所(会計/設立手続、人件費等諸経費の支払、決算、税金の支払)
⑤物流/現地での原材料調達、製品出荷、工場建設に伴う設備搬入等
⑥金融/設立資金、運転資金、現地での口座開設、輸出入代金の決済
⑦海外進出に伴う国内取引先との調整(原材料供給先、納入先、通関・物流業者等)
派遣者の選定
進出可能性の検討が終わると、進出候補地の選定、進出形態の検討、事前調査、仮のF/S(事業計画書)の策定、現地調査、仮のF/Sの修正、投資の可否判定および認可申請の手続と一連の流れとして進んでいきます。
したがって、進出可能性について、検討を行う初期段階で現地責任者としての派遣を前提としたプロジェクトリーダーを選定する必要があります。つまり、派遣する人に責任を持って計画を立ててもらうことが重要です。社内に適任者かいない場合は、外部からの招聘が必要しなります。
他人が立てた計画は、なかなか受け入れにくく、言い訳、失敗の原因ともなりかねません。現地事業が悪くなると、「誰が立てた計画だ。お前来てみてやってみろ(いわゆるOKY)。」と現地と本社とのギャップが生じることとなりますので要注意です。