若手社長は子供あつかい
同業者の会合の後、たまたま二代目社長ばかりが残り、居酒屋に寄った時の話です。年齢は、一人は60代のベテラン、残り三人は40代の若手社長です。
「まだ、親父が頑張っていて文句ばかりで困るよ」「この間はお客さんの前で『光一、早くしなさい』だからね」「こっちは、古くからの従業員から『一郎君、銀行さんがお見えだよ!』って言われるし」といった具合です。どこの会社でも、周りは若手社長を子ども扱いのようです。
とにかく実績をあげること
静かに若手社長の話を聞いていたベテランのT社長が「初めのうちは『自分が社長だ』という気持ちだけが先走って、皆さんと同じことでした」と話し始めました。
何も実績のない自分に気づき、そこで新しいお客様の開拓をやってみようと思い立ちました。業界のいろいろな集まりに出たり、業界セミナーにでたりして名刺交換を行いました。業界雑誌などに出ていた企業名をひろいあつめて自分なりの名簿を作り、その中からこれはと思った企業を選び出しました。そして、あらかじめ資料を郵送しました。電話で訪問の予約をとるには、相手会社が忙しい日である休日明けや週末前、5と0が付く日は集金日」は避け、また、時間は午前10時以降のちょっとあく時間にすることにしました。自分なりに工夫しかなり努力したこともあって、会っていただける会社が数社でてきました。
失敗は乗り越えろ!
何回か訪問をしていた先からやっと注文がとれ,「これで、会社の皆から、評価される」と飛び上がるほど喜んだそうです。さっそく受注伝票を受注係にわたしたところ、「なんだ、こんな安くして、しかもこの納期では間に合いませんよ」と言われてしまいました。注文をとることに集中し、利幅や納期まで目が行かない自分に気がつきました。さすがに、その夜は一睡もできませんでした。
要は、自分でいくらがんばったと思っても、結果と実績を出さなければ、従業員の信頼は得られないというお話でした。