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実例経営シリーズ 経営者の引き際は難しい

仕事はできるが、ITは分からない

 Aさんは、32歳で独立して、私鉄2線が交わる乗換駅の近くに不動産周旋業を始めました。今では、店舗は本店を含めて3店になり、従業員は20名近くにもなり、地元の大学などでは名が通るようになりました。昨年65歳になり、IT会社出身の娘婿を後継ぎにしました。自分自身は、代表権のある会長になりました。従業員は、「会長になるには、未だ、早すぎるのではないか」といって驚いていました。
 後継者は、IT会社出身の持ち味を活かして、物件紹介のホーム・ページを開き、同業者とインターネットでの情報交換など外部への発信に取り組んでいます。社内では、色々な資料もパソコンから直ぐにとりだせるようになりました。資料を探すことが速くなり、お客様にも好評です。社内の会議では、スクリーンに映し出された資料をもとに進められており、手元に資料はありません。AさんはITが苦手で、次第になにが何やら分からなくなりました。

経営者は、すぐに全部は捨てきれない
 月一回の幹部会で元気のないAさんに気がついた古い友人の社外役員のBさんは、「その辺で、一杯やりましょう」と誘い出しました。「急に、従業員から相談や報告がなくなり・・・」とAさんが言い出し、「毎日、出勤するのが、億劫になりがちだ」と。今まで大声で話し、明るい性格丸出しで、仕事をしていましたAさんには、考えられないほどの落差です。

 「Aさん、昔忙しくて、地主さんとゆっくり話もできないと言っていましたが、今なら地主さんとゆっくり話しができるのではないですか」と水を向けました。笑いながら「そう、今の私なら、いや、私だけができそうですね」と言いました。Aさんは自分の居場所がはっきりと見えたのか、大きな声で明るく話しはじめました。

社長と会長の役割分担を

 社長は現場を担当し、会長のAさんは一歩引いて今までできなかった地主との長期の関係作りをし、更に会社を発展させていこうと言うことで、会社内での役割が明確になりました。

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