記事投稿日:2012.11.13
人事考課は、社内等級制度・賃金制度(昇給・賞与支給)の運用、能力開発・適性配置の実施にあたって、社員個々と社員トータルの意欲を高め、会社の期待以上に能力を発揮し、成果をあげてもらえるように活用しなければなりません。
人事考課の一般的活用方法
人事考課の結果は、個別企業の方針によって異なりますが、一般に次のように活用されます。
考課区分 | 賃金改定 | 賞与 | 昇格降格 | 能力開発 | 人事異動 |
業績考課 | ○ | ○ | ○ | ○ | |
能力考課 | ○ | ○ | ○ | ○ | |
意欲考課 | ○ | ○ | ○ | ○ |
なお、業績考課を賞与に活用する場合は考課期間に応じて次のように使い分けます。
考課期間 | 夏季賞与 | 年末賞与 |
4月~9月 | ○ | |
10月~3月 | ○ |
また、管理職以上は能力開発の時期を終了し、成果をあげることが期待されているので、業績考課を最も重視し、中堅社員は業績考課と能力考課、育成初期の社員は、能力考課と意欲考課を重視する考課ウエイト配分とするのが適切です。
経営者の留意点
経営トップは、人事考課の活用結果が、経営に与える影響の重要性、すなわち、「どのような働き方で、どのような業績をあげれば、どのように処遇されるのか」を社員に具体的に伝えるメッセージとなることから、公正性・納得性の維持・向上が最重要と認識し、考課者である役員・管理職を次のように指導すべきです。
1.会社が定めた人事考課のルールに従って考課と調整の実務を行うこと。2.通常、課長クラスが行う「1次考課」は、考課項目(例えば「計画力・折衝力・業績など」)ごとに、被考課者(部下)の“行動事実やその結果”を観察して行うこと。
3.考課の調整は、考課項目別に、“行動事実やその結果”について被考課者間の比較を行い、決して恣意的で曖昧な比較・判断に陥らないこと。 4.被考課者へのフィードバックは、1~3に基づいて、被考課者の成長を意図して行うこと。 |
掲載日時点の法令等に基づいて記載しており、最新の制度と異なる場合があります。