「アマゾン税」導入が勢いづいている
カリフォルニアやテネシーなど米国各州で、インターネット小売業への課税を強化する動きが広がっています。
各州の州財政の悪化、ネットショッピングの利用拡大が、ウェブサイトを通じて州内で集客する企業に徴税を義務付ける「アマゾン税」と呼ばれる税金の導入の法制化を加速させているのです。
同業最大手のアマゾン・ドット・コムの場合、売上税(日本の地方消費税に相当)を集めるのは法制上、本社を置くワシントン州などに限られており、ほかの州においては徴収されないので、不公平感が強まっていたところでした。
日本におけるアマゾン事件
支店、出張所等の事業所、工場、倉庫などをPE(恒久的施設)といい、日本国内にPEを持たない外国法人は日本への申告・納税義務がなく、PEを持つ場合にはすべての国内源泉所得が課税対象となります。
米国アマゾン・ドット・コムは日本国内にPEを置かないまま日本顧客との売買契約を直接結び、米国で売上を上げているとして、日本への法人税納付義務がないものとしていましたが、東京国税局はアマゾン子会社の日本法人がPE機能を果たしているとして、追徴課税処分をしました。
アマゾン社は08年度年次報告書でその課税処分を公表しており、それによると、追徴税額は加算税等を含め、約1億1900万ドルで、当時のレートで140億円前後です。
日米二国間協議が続いている模様です。
消費税では揉めていないのはなぜ
ネットamazonで書籍を注文しようとすると、価格は消費税込みの額になっています。法人税の納税義務はないとしているのに、消費税の納税義務があることを認めているのでしょうか。
日米租税条約では消費税は条約の対象税目になっておらず、消費税法の納税義務者は国内で課税取引をする「事業者」としか規定されていないので、外国法人でも、PEがなくても、消費税に関しては納税義務を回避できません。
回避できるのなら、消費税なしの価格での販売にするところなのでしょうが、そこがまたアメリカ州税の売上税と違う面でもあります。