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自動車課税と国民意識

自動車利用者の税負担感は強い?

 5、6年前のことですが、(社)日本自動車工業会・(社)石油連盟・自動車総連などが「ガソリン税は二重課税」とか「消費税と自動車取得税との二重課税」という内容で広告を出し、税制建議もしていました。

 最近、JAF(日本自動車連盟)が「自動車税制に関するアンケート調査」を行い、自動車ユーザーの97%が自動車関連税を重いと感じている、と報告しています。

JAFアンケートの問題意識

 JAFはアンケート質問の前に問題点の存在を指摘しています。

①自動車の取得段階では消費税と自動車取得税が、さらに保有段階では自動車税と自動車重量税があり、その負担は欧米諸国に比べ約2~49倍と極めて過重。

②自動車諸税では本来の約2倍もの税率(旧暫定税率)が「当分の間」として維持されている。

③自動車重量税は、道路の整備で利益を受けるからとの趣旨で、道路整備費補填のため創設され、平成21年に一般財源化されたことにより課税根拠を喪失している。

④消費税と自動車取得税は共に5%税率で、取得時の二重併課である。

⑤ガソリン本体価格にガソリン税がかかり、その合計額にさらに消費税がかかる、という重複課税がある。

⑥地方では生活の足として自動車が必需品で、自動車への税の過重負荷は地方への過重負荷を意味することになる。

誘導尋問的なスタンスではあるが

 JAFアンケートの設問には、回答を誘導する姿勢がアリアリなので、回答内容がそれに引っ張られるのは当然ながら、その集計結果は日本国民の意識をよく反映しているような印象を受けました。

①自動車への過重負荷には、国の財政が厳しいならやむなし51%、自動車ユーザーは負担力があるから21%、税率が下がると自動車の利用が増え環境に負荷がかかるから20%、と容認派が多数である。

②特定財源から一般財源になったことによる課税根拠喪失には、87%はスジが通らないとしている。

③二重併課、重複課税、地方過重も好ましい課税のあり方ではないとの意見が89%、87%、85%と高率である。

掲載日時点の法令等に基づいて記載しており、最新の制度と異なる場合があります。
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