クック諸島の国家承認
この3月25日、ニュージーランドと自由連合関係にあるクック諸島を国家承認することが閣議決定されました。今後、国際場裡における協力を含め、国家関係を強化していく、と外務省は表明しています。
クック諸島の承認により、我が国が独立国家として承認した国は193か国となるようです。
クック諸島の基礎データ
面積は約237㎢(鹿児島県徳之島とほぼ同じ)、ニュージーランドの北東約3,000㎞、フィジーとタヒチの間に位置し、15の島々より成る、人口22,600人、首都アバルア、民族はポリネシア系(マオリ族)91%、混血系4%、言語はマオリ語、英語(共に公用語)、宗教はキリスト教97.8%、1965年に独立しニュージーランドと自由連合協定を結んでいる議院内閣制の政体の国です。
自由連合協定とは
自由連合は、外交や防衛などの権限を他国に委ねた国家間の関係をいいます。連合国同士は対等な関係であり、帝国主義時代の保護国と宗主国の関係とは異なる、とされています。
ニュージーランドとクック諸島・ニウエ(ニウエについては日本は未承認)にも自由連合協定があり、両国の国防と内政外交の一部はニュージーランドに委ねられています。国連には両国とも未加盟です。
クック諸島をめぐるタックスヘイブン事件
ニュージーランドの法人が日本の複数の大手銀行を巻き込んでクック諸島に持ち込んだ資金運用益の源泉税を日本の法人税から外国税額控除することの可否が争われた事件があります。
国税当局は、複数銀行に外国税額控除を是正する更正処分をしたのですが、一部銀行が提訴、平成17年末に最高裁で結論がだされ、国側勝訴で確定しました。
ニュージーランドにおいては国会で大醜聞となって国税庁長官が辞任しました。
租税条約の締結のためか
クック諸島は、農業、黒真珠養殖、観光が主な国内産業となっていますが、国際的にはタックスヘイブン政策を推進していることで知られています。
近年は、タックスヘイブン国との租税情報交換規定を主とした租税条約を結ぶ傾向にあり、政府はそれを準備しているのかもしれません。