寄附と税負担軽減
4.27成立震災特例法によると、国税の寄附金控除は、所得控除選択の場合、総所得金額等の80%を限度額とし、税額控除選択の場合、所得税額の25%を範囲内として2000円超の寄附額の40%が限度額で、それぞれ控除されます。個人の拠出について、後から国税の負担の軽減という形式で還付してくれるわけです。
また、総務省は東日本震災義援金として日本赤十字社や中央共同募金会などに寄附する場合にも『ふるさと納税』扱いとなる、との見解をホームページで公表しています。『ふるさと納税』となる寄附金については、住民税額の10%の範囲内で5000円超の寄附額のうち、国税の寄附金控除となる部分以外の全額について税額控除されます。こちらも、個人の拠出について、後から住民税の負担軽減という形式で自治体が還付してくれるわけです。
なお、『ふるさと納税』となる寄附金で住民税額の10%という限度を超える部分(総所得金額等の30%という制限あり)については寄附金の10%が税負担軽減額となります。
民間の寄附マッチング
3.11東日本震災後、企業が従業員や顧客から小口の義援金を募り、寄せられた金額に対して一般に同額の上乗せを行い、日本赤十字社や中央共同募金会などに寄付する取り組みをするところが増えています。これがマッチングギフトと言われるもので、従業員や顧客の善意による社会貢献を企業が自らの経営戦略の下で支援するものです。個人の拠出が倍に増えて被災地に届けられます。
マッチングギフトは企業が単独で寄付を行うよりも、個人の寄付の効果を倍増するために使うことで、まだ寄付を考えていない人に興味を持ってもらい、迷っている人の背中を押して、社会全体で寄付に流れる総額を大きくすると考えられます。
上乗せ先払い型 後払い(還付)型
寄附金控除の趣旨を考えていると、民間企業のみならず、国や自治体も、人々の善意の芳志に対してマッチングギフトをしようとしているのだな、と思われてきます。
民間企業のマッチングギフトは上乗せ先払い型であるのに対して、寄附金控除は後払い(還付)型マッチングです。
相違はありますが、共に人々の社会貢献参加の促進になります。