記事投稿日:2011.05.11
千年に一度と言われる東日本大震災が起きて、直接、間接に生じた問題は計り知れないものがあります。
「復興の計画」は政府が中心になり、民間の努力と協力によって進みはじめています。すなわち、現政権は現地の復興、日本の経済的復興の危機的課題に対して、復興構想会議等の組織をつくり、グランドデザインの検討を開始しました。
ここでは危機的状況における中小企業経営の再構築と言う視点から、問題解決の取り組み方、トップのリーダーシップによる“グランドデザインのあり方”について考えて見ましょう。
“グランドデザイン”とは
“グランドデザイン”とは「課題解決の全体を俯瞰する目的達成への道筋・基本計画」のことです。
大津波で罹災した東北の部品産業・水産業などの事業再開への努力が報道されていますが、一般中小企業においても事業を一から再構築する必要が生じたケースでは問題の性質として共通性があります。
問題の真の解決は“全体と部分が調和的に解決する全体最適志向のグランドデザイン”によってもたらされますが、それは 計画が実施に移された後で目まぐるしい状況変化から途中で迷った時の“道しるべ”の機能を果たします。
グランドデザインで留意すべきポイント
経営者が“グランドデザイン”を構築するに当たって留意すべきポイントを挙げて見ましょう。
①現場主義・経営者の先見力による目的・目標の明示
自社の事業にとって意味がある外部環境の兆候的変化は市場観察・関係者とのコミュニケーションから得られ、目的・目標は未来志向、積極志向の決断力から得られる。
②社員全員の参加と率直・自由な創造的発想を重視することで、トップを支える社員の意欲を高める。
③全体最適志向の判断・思考のプロセスを整理する知的技術を活用する。
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