日本のサッカーチームが強さを増しています。個人技の強さが向上したこととチームワークの良さがその原因になっています。
サポーターの整然とした応援スタイルも特徴的です。
サッカーは野球と同様、海外からやってきたスポーツですが、日本人は日本独自の文化を背景に“日本流スポーツ”に変えてプレーしているようです。
カタチは西洋流だが心は日本流、これを“和魂洋才”と言いますが、これはご承知のように日本の歴史上で幾度となく繰り返されてきました。
“和魂洋才”の事例
明治維新では西欧の軍事技術や武器が日本に導入され、日本人の心で使われました。その代表は「坂の上の雲」で描写された日露戦争の日本海海戦でのバルチック艦隊に対する大勝利でしょう。
第二次世界大戦後には「統計的品質管理」がアメリカから導入され、日本はそれを「トータルQC」と言う全員参加の経営手法に変えて、ものづくりの品質向上に役立て、世界を凌駕しました。
近年では、アメリカから「IT(インフォメーション・テクノロジー)」を学び、日本人のコミュニケーション能力の高さから、たちまち携帯電話というカタチで市場に流通させました。
このような例は歴史上、幾度となく繰り返されてきた事実で、その背景には日本独自の文化的土壌があるからのようです。
“和魂洋才”をさらに磨こう
日本独自の文化的土壌は、何からきているのでしょうか。
① 日本の気候・風土、そこから生まれる四季折々の風景・文芸
② 神道、“祭り”に代表されるお清め(清潔さ)・和・礼儀正しさ
③ 中国大陸から輸入され、磨かれた仏教、儒教など心の文化
このような背景から日本人のきめ細かい感性、仲間を思いやる高度な人間性が生まれたと言えましょう。一方、アメリカは「トータルQC」を逆輸入して「TQM(トータル・クォリティー・マネジメント)」と言う技術体系を創りだすなど、独創性に加えて他国に学ぶ改革のスピード・政府と民間一体の改革には大変優れており、日本は見習うべきだと言えます。“和魂洋才”を磨いて行く課題は次つぎと生まれています。