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手続的民主主義が光っている

 政権交代とは、成熟した社会において人類が生み出した一種の革命なんだなあ、と思わせられた2年前から、民主党への幻滅と世論が急変した昨年でしたが、今年の税制改正大綱を見ていると、2年前の期待と熱気が少しだけほとばしり出ているものがたった一つあります。

納税環境整備のための立法と改正

 納税者権利憲章の策定、理由附記、更正の請求、税務調査手続などの改正項目を盛った納税環境整備という手続的民主主義の分野です。税負担がこれからどんどん重くなる傾向の中で、従来の官尊民卑的な対応では国民の不満が内発するかもしれず、ガス抜きのルール化を図ったというのが本質でしょうが、例えそうだとしても、内容はみてくれの部分が多いものの画期的な部分もあります。

花を捨てて実を取ったのだろうか

 納税者権利憲章は、まだその姿を現していないので、実体法にどういう効果がでるのか今年は動きを追尾することになります。

 申告に対する否認処分については理由付記が必要となります。理由が粗略だと否認が無効になるので、税務署にとっては最も好ましくない改正案だと思われます。

 更正の請求の期間の1年から5年への延長は、個人事業者の税務調査期間が過去5年にさかのぼることに連動しますので、花を捨てて実を選ばれてしまったのかもしれません。嘆願制度で、実質5年前に遡及する減額更正の実務が動いていましたので、新たな実質的な権利確保効果は形式的に拡大するに過ぎないからです。

 とはいえ、お願いモードから権利の主張のモードへの変換とも言えるので、これは税務の官尊民卑を廃することでもあり、一歩前進とは言えそうです。

 税務調査についてはあまり前進がありません。税務調査で、手続的民主主義の上で以前から論争になっていたのは、なぜ税務調査の対象にしたのかの選定理由の開示です。そこをはずしているのです。大綱にあるのは実際にすでに実行されていることを法律条文化する案ばかりです。

 たとえば、事前通知で、調査の日時・場所・目的・対象に関して、電話でやり取りし決めていたことを、今度はそれだけでなく文書化して郵送してくるということになるということの程度に過ぎないからです。

 

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