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最高裁二重課税判決後の勇気のいる新仕事

最高裁判決後の新状況

 最高裁の二重課税禁止判決以後、所得税課税制度の屋台骨は根幹においてグラついています。当局はどこまで踏み込んで、どう建て直すべきか、世論の反応を見極めようとしています。多くの識者も、マスコミも、それに遠慮してか、現実を直視した提言をしません。

たいした問題ではないところで話題

 年金をめぐる相続税と所得税の二重課税により超過徴収税金の還付の話題の延長上には、預貯金・貸付金の未収利息や配当期待権、生命保険契約に関する権利、訴訟中の損害賠償請求債権など、全く同質の金融所得請求債権があります。

 しかし、これらには、源泉分離課税制度を無意味にするような原理的衝撃はあるものの、件数的にも金額的にも行政コスト的にもたいした問題ではありません。

不動産や有価証券が本丸

 所得税法の屋台骨の骨格は譲渡性資産への課税の仕組みです。ここがボキッと折れたような衝撃が走っています。このことについて積極的な発言をする人は稀有です。

 想定外の判決が出たことによって、二重課税することを前提に組み立てられている税法体系にポッカリと巨大な陥没が生まれてしまいました。

 年金を一時金で受け取るのと同じく、不動産を相続開始とともに売却し、その代金を相続財産の評価額としたら、譲渡所得税を非課税とせざるを得ないのではないでしょうか。

 相続税と所得税の二重課税禁止というこの原理は何年か後に売却した場合も同じく機能し、相続税課税済み部分超過額のみに課税が許される、となるのではないでしょうか。

二重課税前提制度との折り合い

 相続後の譲渡所得については、収入から控除できるのは被相続人から引継いだ取得費とするのが、従来の取扱いでした。二重課税禁止の規定があったにも拘らず、相続税の課税は無視することになっていました。

 しかし、今後はこのような解釈ではなく、相続課税済み分は非課税とせざるを得ないので、譲渡収入からその部分を除外することになります。控除する取得費や譲渡費用の扱いをどうするかも、当然に明文化されていませんが、収入を課税・非課税に分けたように、これもその比で按分することになるのではないでしょうか。

実行するには勇気がいる

 しかし、次の確定申告期や、過去分所得の更正の請求をこのコラムの通りに実行するには、裁判になるかも知れない覚悟が要ります。

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