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貯蓄税という新税

1000万円以上の預金に2%課税

 テレビ朝日「スーパーモーニング」で、消費税に代わる税の一種として貯蓄税の創設が話題として採り上げられていました。一人当たり預金残高1000万円超に対して毎年2%の課税をする、ということのようです。逆進性が回避できるというのが売りで、そのためには納税者番号制度の導入が必須とのことです。

提案のネライは何か

 銀行で眠っている死に金が市場に出回ってくるので消費が促進され、経済の活性化に役立つと素直に賛同する意見があれば、金持ちへの課税なのだから所得再分配効果が期待できるとひがみの税制支持者も喜び、提案者が証券会社のエコノミストだということで、株式投資への促進策としての提案だろうとか、預金が国債の購入にシフトするので財務省の裏の手とか、納税者番号制度導入気運への冷や水効果とか、にわか評論家が百花総鳴しています。

税金の種類は財産税

 実現可能性のない提案のように見えますが、現実に在る財産への課税ということでは、この手の税金は財産税に分類されます。

 固定資産税や都市計画税や自動車税は財産税の性格を持っています。バブル時に創設された地価税は純粋の財産税です。

 話題の貯蓄税と似ているのは、個人財産500万円超に対して0.5%~3%の累進課税をした昭和25年の富裕税です。富裕税は捕捉可能なすべての財産を対象にし、税率が4段階であるところが異なります。富裕税法は3年でもって廃止となっています。

もっと過酷な税金もある

●戦時補償特別税 :戦時中に発生した民間企業の政府に対する未払代金の請求権に100%の課税を行いました。実質の踏み倒しです。踏み倒さないまでも、戦前の国公債は戦後の100倍とも400倍とも言われるインフレで事実上デフォルトされました。

●財産税 : 個人財産10万円超に対して25%~90%の累進税を課した昭和21年11月の「財産税法」による課税です。これも当然1回限りの税です。

●非戦災者特別税 : 戦災者と非戦災者がいるのは不公平ということから、家屋を借りている非戦災者に対して、家賃の3ヶ月分、家屋を所有している者に対しては6か月分を課税しました。これも1回限りの税でした。

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