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何気ない表現にも法の網?

フレーズの拝借にも問題が・・・?

 宣伝やスローガンのキャッチコピー等で、既存のフレーズを拝借、あるいは、改変することが問題となることがあります。これは、主に著作権侵害の有無という形で現れ、神経を尖らせる(べき)ところです。

表現の方法や内容が無数ある一方、参考になる裁判例も少なく、明確な指針を示すことには困難を極めますが、ここでは、考え方の傾向をお示しします。

(1)短くとも、創作性があれば、著作権法による保護の対象となりうる

著作権法が保護する著作物は、法文上「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」と定義されていますが、学術性や芸術性に乏しくとも、創作性があれば、著作物性が認められ、それは、短い表現でも同様です。

(2)但し、短ければ、保護の可能性は狭まる

もっとも、短ければその分、表現の幅に限界があり、少しでも変わると同一性を失いがちであることから、著作権法による保護の可能性が狭まります。

「ママの胸よりチャイルドシート」という交通標語を作成して、テレビCMで放送したことに対し、「ボク安心 ママの膝より チャイルドシート」の標語の作者が、自らの著作権を侵害されたとして損害賠償請求をしました。裁判所は、訴えた作者の標語に著作物性があるとしながら、両標語を比較し、「ボク安心」の有無、「膝」と「胸」の違い、五七五か七五調の違いを挙げ、共通する「ママの」、「より」、「チャイルドシート」に著作物性がないとして、結論としては著作権侵害がないとして、訴えを却けました。

(3)著作権法以外の法律に抵触する場合もありうる

 以上著作権を中心にお話ししましたが、それ以外の法律にも留意が必要です。

 裁判所は、Webニュース記事の見出しには、創作的表現はないとして著作物性がないとしながら、これを無断で利用した者に民法上の不法行為責任(損害賠償)を課する判断をしました。

 また、陸上自衛隊の「守りたい人がいる」のコピーのように、商標登録されている例もありますので、商標権との関係で要注意です。

掲載日時点の法令等に基づいて記載しており、最新の制度と異なる場合があります。
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