大きく分けると4つの改正点
景気の一部に明るさが見られるというものの、雇用情勢は新卒の内定率も就職氷河期並みといわれる状態では雇用の改善はまだ先のこととなりそうです。このような中で非正規雇用労働者に対するセーフティネット機能の強化や財政の基盤強化を図るため4月より雇用保険法が改正されました。改正点は大きく分けると四点となります。
非正規労働者に対する適用範囲の拡大
平成21年の雇用保険法の改正により、短時間労働者の適用基準を「1年以上の雇用見込み」から「6カ月以上の雇用見込み」で雇用保険に加入することができるようになりましたが、厳しい失業情勢の下では6カ月以上の雇用の要件も満たせない人も多く、更に「31日以上の雇用見込み」があれば適用ができるようになりました。しかし、離職と受給を繰り返す人の防止の観点から受給条件は現行のままとされています。
雇用保険未加入者に対する遡及適用期間改善
会社が従業員に対し、雇用保険の加入手続きを行わなかった場合、遡及加入は2年前までしかできませんでしたが、失業給付の受給日数が減ってしまうこともあったため、2年以上の遡及も認めることになりました。具体的には給与明細等に雇用保険の控除がされていたことを示す書類の確認が行われます。
雇用保険の財政基盤強化
雇用保険2事業(助成金等)については雇用調整助成金の支給要件の緩和措置等の継続雇用対策で財政の不足が生じてきたこともあり一般の事業の場合で2事業に係る保険料率が1000分の3.5に改正されました。又失業給付に係る保険料率は1000分の12(事業主と被保険者でこれを折半する)で全体の保険料率は1000分の15.5となりました。
育児休業給付金制度の変更
22年4月以降に育児休業を開始される方は育児休業基本給付金と職場復帰給付金が統合され、全額を育児休業中に受給できるようになりました。