たばこ税の増税
2010年度税制改正案は3月24日参院通過し成立しました。そこにはたばこ税の増税が盛り込まれました。今年10月から1本当たり3.5円の増税となり、その結果、平均で1箱あたり100円の値上げとなるようです。
JTのホームページによると現在1箱300円の場合、63.1%の189.17円が税金です。今後は65.98%の263.93円が税金となる計算です。
日本人の喫煙状況
平成20年の成人喫煙率調査では、日本人の喫煙者は2477万人、喫煙者率は21.8%で、男性喫煙者は1946万人、喫煙者率は36.8%、女性喫煙者は531万人、喫煙者率は9.1%です。女性喫煙者が漸増しているのに対し、男性喫煙者は平成7年より減少してきており、平成17年度以降4割をきるようになり、年々減少しています。
たばこ税の税収2.2兆円から逆算して喫煙者平均1人1日0.8箱消費していることになります。
たばこ値上げの禁煙効果
インターネットでのアンケート調査をしたとの報告がある喫煙補助剤を販売するJohnson & Johnsonのホームページをみると、禁煙・節煙を考えている喫煙者の6割超が、たばこ税増税を機に禁煙すると回答しています。
増税を機に「完全にやめたいと思う」が21.5%、「本数を徐々に減らし、やめたいと思う」が40.7%、「本数は減らしたいが、やめたいとは思わない」が20.2%、「やめたい、減らしたいと思っているが、増税とは関係ない」が17.6%です。
禁煙成功確率3分の1として
この調査報告によると、日本全国には将来、禁煙・節煙を考えている喫煙者は、約1800万人いて、これは喫煙者の72.7%で、さらにその6割すなわち全体の43.6%約1080万人の喫煙者が、この機会に禁煙にチャレンジすると推測できます。禁煙成功確率が3分の1として、14.5%のたばこ売上減少となります。増税による税収増が30%で、禁煙による税収減が15%といったところがここから見えてくる予測値です。
政府の大義名分としての健康という観点からのたばこ税の見直しとしてはまだまだ不十分ということになるかもしれません。