記事投稿日:2010.03.26
休業中の人がアルバイト先へ向かう途中の事故
昨今の経済情勢の中、業績が振るわず、従業員を休業させている会社も少なくありません。従業員側から見ると、休業し賃金カットがなされ、アルバイトをしたいという人も出てきます。会社でアルバイトを認めれば、アルバイトをする事もあるかもしれませんが、例えば全1日の休業でなく半日休業等で(午後だけ休業等)会社からアルバイト先へ移動中、事故にあった時には労災保険はどうなるのでしょう。届出はもとの会社かアルバイト先か、どちらにすべきでしょうか?
事業所の間を移動した時の通勤災害
複数の事業所で雇用される労働者が、前の事業所から次の事業所へ移動する途中で事故にあった時でも労災保険は適用されます。この場合でも、自宅から事業所へ移動する間の事故と同様に「通勤」の要件を満たしている必要があります。「就業に関し、合理的な経路及び方法により」移動を行い、「経路を逸脱したり、移動の中断をしたりする場合は、日常生活上必要な行為(日用品の購入その他これに準ずる行為)でやむを
得ぬ事由による最低限の範囲で行う」場合
にその行為後の移動は通勤とみなされます。
労災保険の適用はどちらの事業所か
二つの事業所間の移動中に被災した場合は第二の事業所の労災保険を適用します。この場合の移動は第二事業所で仕事に就くために行われている行為だからです。
また休業補償給付を受ける場合、被災前3カ月間の平均賃金をベースに給付基礎日額が算定されますが、この場合の平均賃金は労災保険が適用される事業所から支給される賃金で算定されます。
ですからアルバイト先で労災保険が適用されると、本来勤務の第一事業所よりも低い賃金で計算されることになります。
掲載日時点の法令等に基づいて記載しており、最新の制度と異なる場合があります。