記事投稿日:2010.02.22
どうしても利益を出したい
景気の低迷が続く中3月決算を前に今年は、どうしても利益を出したいとお考えの社長も多いかと思います。
特に製造業にあっては、昨年の在庫調整により大きな赤字を抱え込んでいるところが多いと思われます。
制度会計による製造原価
制度会計では期末製品や仕掛品の在庫を以下のように計算します。
材料費+外注費+製造経費=製品在庫価格
例えば、売上は10個で200でした。製品も10個作りました。と言う会社の損益計算書は以下となります。
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同じように、売上は10個で200でしたが、製品は80個作りました。と言う会社の損益計算書は、以下となります。
損益計算書 |
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売上 |
200 |
期首製品在庫 |
0 |
当期製造原価 ※2 |
240 |
期末製品在庫 |
210 |
売上原価 |
30 |
売上総利益 |
170 |
販売費一般管理費 |
100 |
営業利益 |
70 |
製造原価報告書 |
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材料費 |
80 |
外注費品 |
80 |
製造経費 |
80 |
当期製造原価 ※2 |
240 |
製造経費80の内70は期末製品在庫として資産に計上され翌期に繰り延べられます。結果として営業利益は70出ることとなります。
売れないものを作っても仕方ありませんが4月以降に売上が期待できるのであれば3月中に作りこむことによって、期末在庫が増えます。期末在庫が増えると言うことはその分製造経費が翌期へ繰り延べられて、利益が出ると言うこととなります。(但し資金繰りは悪化しますので、ご留意下さい)
掲載日時点の法令等に基づいて記載しており、最新の制度と異なる場合があります。