預金連動型住宅ローン
銀行ローン残高のうち同銀行にある普通預金口座の残高と同額までの部分の利息を普通預金利息と同率とし、それを超える部分の利息は同銀行における一般の住宅ローン利率とするものを預金連動型住宅ローンといいます。
銀行によっては、連動普通預金はローン申込者本人名義口座のみならず、同居家族名義口座でも可としており、また、ローン利率を普通預金利率まで下げる方式と、普通預金とローンの各利率をゼロとして両利息を実質相殺する方式とがあります。
ゼロ又は1%未満利率ローンの扱い
ここで気になるのは、1%未満利率ローンの住宅借入金等特別控除の適用対象外の規定です。しかし、この除外規定は、給与所得者がその勤務する会社から貸付けを受ける場合を対象にしており、一般の住宅ローンについてはたとえゼロ利率であっても除外の対象になりません。
利率差は銀行からの贈与?
一般的な住宅ローンの利率によって計算した利息と連動型ローン利息との差額としての経済的利益が課税対象になるかどうかも気になるところです。
しかし、これも、住宅ローン契約が、民法上の金銭消費貸借契約であり、その約定利息は当事者間の契約によって(いわゆる利息制限法や貸金業規制法に抵触しない範囲で)自由に設定することが可能とされているかぎり、個々の契約内容の違いの程度に過ぎないものなので、課税対象となる経済的利益とすることは困難です。
連動預金家族からの贈与は?
同居家族名義口座を連動対象口座にした場合、ローン利息の優遇を受けることができることから、家族間の贈与があったものとして課税関係が生じるようにも考えられます。でも、贈与税が課税されるのは、贈与により財産を取得した場合ですから、課税できる条件にはなっていません。
ただし、住宅ローンの支払利息と家族名義連動対象口座の受取利子が相殺される場合には、「債務の代位弁済」と見る余地がありますので、みなし贈与には当たります。本人の預金以外の利子との相殺契約だけは避けるべきでしょう。