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2018年12月21日 世界中で動き出したCRS

3つの情報交換

租税条約による情報交換には、1.要請に基づく情報交換、2.自発的情報交換、及び3.自動的情報交換の3つの形態があります。

「要請に基づく情報交換」は特別な場合です。「自発的情報交換」はついでに得た情報の提供なので偶然的なものです。「自動的情報交換」は法定調書情報の税務当局間の相互送付で、これが期待される基本形です。

OECDのCRS

自動的情報交換については、2017年から、わが国を含む100以上の 国・地域が賛同して、まさに動き出し始めている、OECDのCRS(Common Reporting Standard の略:共通報告基準)があります。

CRSとは、非居住者の金融口座に関する情報を各国の税務当局間で自動的に交換するための共通化された国際基準のことです。共通化された国際基準を各国で適用することにより、事務負担の軽減や効率的な情報交換を実現しつつ、外国の金融機関の口座を利用した国際的な脱税及び租税回避に対処することを目的としています。

日本の国外財産調書の提出状況

国外財産調書の提出件数は次のように、年々増えていますが、この程度の数字であるわけがない、というのが多くの見方のようです。

平成25年分…………5.539件

平成26年分…………8,184件

平成27年分…………8,893件

平成28年分…………9,102件

CRS初回交換情報

国税庁は、CRS情報の交換を本年9月までに行うことにしていた、その初回交換の件数等がとりまとめられ公表されました。

日本国内の非居住者の金融口座情報については、58か国・地域に89,672件提供し、他方、日本の居住者に係る金融口座情報については、64か国・地域から550,705件受領しました。

予想外に多かったとのニュアンスが滲み出ています。また、公表文は、受領した金融口座情報は、国外送金等調書、国外財産調書、財産債務調書、その他既に保有している様々な情報と併せて分析する、としています。

なお、CRSには、アメリカは非加盟です。FATCAがあるためです。日本がアメリカから得ている自動的情報交換データは租税条約に依るものです。

掲載日時点の法令等に基づいて記載しており、最新の制度と異なる場合があります。
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