2019年9月20日 公的年金の将来像

公的年金財政検証結果

厚生労働省が5年に1度実施している公的年金の健康診断にあたる財政検証結果を公表しました。将来の年金水準についての検証では経済状況が異なる6つのケースを示しています。給付水準は現役世代の平均手取り収入に対する年金額の割合「所得代替率」という指標で示されています。

2019年度の所得代替率は61.7%です。1~3のケースでは29年度以降の20年~30年の間、女性や高齢者の労働参加が進んで経済成長率がプラスとなった場合では給付抑制が46年~47年までで終ります。ケース1で経済成長率が0.9%上昇した場合でも所得代替率は51.9%に下がります。一方、成長率が横ばいにとどまる4~5のケースでは賃金が伸び悩み抑制期間は長くなります。53年~58年頃まで抑制され所得代替率も44.5%~46.5%まで下がります。ケース6の長期マイナス成長の場合では36%~38%になると見込まれています。

年金の制度改革

日本経済のマイナス成長や労働参加者の増加が進まなければ年金の財政は厳しい状態となります。所得代替率を50%より下げないため政府は一定の年金水準を保てるよう対策案を出しています。

1.厚生年金の適用拡大のため、企業規模要件(従業員500人以上)の規模下げ

2.賃金要件(月収8.8万円)以上対象者の要件下げ

3.月収5.8万円以上の全雇用者に適用

4.基礎年金の保険料納付期間を40年から45年に延長

5.受給開始年齢75歳まで繰り下げて支給

6.65歳以上の在職老齢年金の廃止(この場合は年金原資は下がる)

7.上記の組み合わせやマクロ経済スライドフル発動

自助努力は必須に

今回の財政検証で年金額を最も増やす効果があるのは受給開始年齢を上げること、75歳から受給開始すると所得代替率は99.1%だと言います。今65歳で年金をもらい始めても年金抑制の仕組みで徐々に所得代替率が下がります。その影響は若い世代ほど大きくなるので自助努力で老後に備えることは非常に重要になっています。

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