2019年8月2日 「人」総合力の最大化

日本を代表する自動車メーカーの1つH社は2017年4月に65歳への定年延長を実施しましたが、その際「人」総合力の最大化を狙いとして次の取組を実施しました。

[総合的労働条件見直しの基本コンセプト]

・社会動向や法改正の兆しを捉え先んじて手を打ち、過去から積み上げた労働条件の見直しをフリーハンドで設計する。

・時代適合性や他社比較の観点で適正化を図り、従業員の活躍を支える環境として将来必要となるものに原資を再配分するスクラップ&ビルドすることとし、具体的な内容は、次の4つの観点で議論。①安心して仕事に専念できる環境の整備②更なる主体性の発揮を促す③多様な従業員の活躍を促す④事業体質の向上。

[制度改定の概要]

安心して仕事に専念できる環境の整備を図るため、定年年齢の延長。

[従来の制度・改定課題]

・60歳の誕生日を定年退職日、65歳までの雇用安定措置として再雇用制度を導入。60歳以降の就労を希望する従業員は1年間の雇用契約を結び、毎年更新し65歳までの雇用を保証。原則は59歳時の職務を継続するが、職制からは外れ、国内の出向派遣や海外赴任なども対象外。

・再雇用者の月度給与は一般職(組合員)層の場合、59歳時の在位等級の約5割。人事評価は現役より簡素化された評価シートを用い、A・B・Cの3段階評価。

・評価結果は賞与に反映させるが昇給・昇格はなく、諸手当等適用除外。

[導入制度]

・17年より定年年齢の引き上げ。定年延長に伴い60歳までの給与水準は基本的に維持、「定年年齢の引き上げ」のみ変更。

・60歳以降の給与水準は59歳時点の約8割。既に定年延長を実施している企業の平均が59歳時の6~7割という状況の中、従業員のモチベーションに配慮、従来5割だったものを約8割まで引き上げ。

・60歳以降も59歳以前と同じ等級体系と評価制度を適用。評価ランクも旧再雇用制度の3段階から59歳以前と同様の6段階となり、成果をきめ細かく処遇に結びつける。成果によっては年収ベースで59歳時の9割超の水準に達する設計。また、引き続き「現役」としての活躍を期待するため、単に60歳となったことで仕事や職務を変えることはしない。今後は60歳以上にも出向派遣や海外赴任を命じる。

タグ: