2019年7月29日 定年延長と総合労働条件

2017年4月に65歳定年延長を実施した日本の代表的自動車メーカーH社は、熾烈な競争環境下で生き残り、真のグローバルカンパニーに進化するためには、従来の諸制度での対応では限界があり、時代や従業員の変化を先取りした労働条件の全面的な見直しが必要と判断、次のような総合的労働条件の見直しを行うこととしました。

[見直しの経緯]

・2013年に『「人」総合力の最大化』の実現に向け、労使委員会を設置し労使による協議を開始。

・2016年10月から2017年4月にかけて定年延長や各種手当の統廃合を伴う人事制度の改定。

[制度導入までのプロセス]

・2013年の総合的労働条件の見直しにあたって、労使委員会を立ち上げ。

「H社の将来の発展に向けて、多様な従業員の更なる活躍を後押しするには、何が必要なのか」を労使が本質的に話し合い。

・2015年秋、制度の骨格が固まった。

従業員への説明の開始当初は、多くの反対意見が挙がるなど、労働条件の引き下げに理解を得るのは難しい面があったが、「この改定が将来への投資であり、今必要なことだ」と繰り返し説明し、丁寧な説明を心がけて説明会を重ねた。

会社側の取り組みに加えて、労働組合の地道な活動による効果も大きく、職場懇談会や組合の機関紙を通じて、改定の目的や詳細内容を周知するなどの積極的な働きかけによって一人ひとりの理解に繋がった。

・2016年8月の労組定期大会で同意を得る。

・制度改定項目のうち、等級の改定や在宅勤務などは2016年10月より、定年延長や手当等については2017年4月より導入。

今回の制度改定を成し得たポイントは、将来視点で大局的に検討したこと、労働条件だけでなく職場課題への対応も併せて実行してきたこと、これらについて労使が本音本気で議論し従業員への丁寧な説明を労使双方が粘り強く行ってきたことに他なりません。

同社では今後も、労働組合、会社、従業員の密なるコミュニケーションによって、更なる従業員の活躍を促す制度に進化させていきたいと考えています。

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