2019年6月12日 会社の従業員なのになぜ社会保険に加入できない?

日本年金機構からの「…(お願い)」文書

日本年金機構から「厚生年金保険・健康保険の加入状況について(お願い)」という文書が届いた経験や話を聞いたことがある方も少なくないかと思います。厚生労働省は、平成27年度から、国税庁から法人事業所の情報提供を受け、従業員を雇い給与を支払っている事業所の把握が可能となり、これを加入指導に活用することで、さらなる適用促進の取組を進めてきました。

これは厚生年金未加入企業への加入勧奨で、放っておくと、受託事業者の調査員が戸別訪問に訪れることにもつながります。

社会保険に加入したいのに加入できない!

一方、会社に雇用されたサラリーマンで、役員でもないのに、社会保険(健康保険・介護保険・厚生年金)や労働保険(労災保険・雇用保険)に加入できない人がいます。外国法人の日本駐在員事務所に雇用された代表者です。同じ会社(駐在員事務所)に雇われた人でも、2人目以降の人は加入対象ですが、代表者は加入できません。

駐在員事務所は、外国企業が日本で営業活動を行うための準備的・補助的行為を担う拠点として設置されます。市場調査・情報収集などの活動を行うことができますが、直接的営業活動を行うことはできません。駐在員事務所は、営業拠点ではないため、法務局に登記する必要がありません。

社会保険等への加入では、法人登記がないため、代表者個人をみなし事業主として手続きが行われます。個人事業主とみなされるので、代表者は加入できないのです。

そもそも社会保険・労働保険の目的は何か

健康保険は、労働者やその家族が必要な医療給付等で生活を安定させることを目的としたものです。厚生年金保険は、高齢となって働けなくなったり、病気やけがで障害が残ってしまったり、遺族が困窮してしまうといった事態に際し、保険給付を行う制度です。労災保険は、労働者の業務が原因でけが、病気、死亡(業務災害)した場合や、また通勤の途中の事故などの場合(通勤災害)に、国が事業主に代わって給付を行う公的な制度です。

実態は従業員であるのに、社会保険や労働保険を受けられないという仕組みは、本来のこれらの保険の趣旨にそぐわないものです。国には柔軟な対応で、労働者の安心・安定を担保してほしいものです。