2018年10月25日 確定申告書等をめぐる税法の理解と用心

修正申告書を含む

所得拡大促進税制の条文には、適用要件として、比較雇用者給与等支給額その他の計算明細等(所定の別表)の確定申告書等への添付がある場合に限り適用とあります。その確定申告書等については、括弧書きで、「修正申告書又は更正請求書を含む」としているので、修正申告や更正の請求によって税額控除額を変えることができる、ということが確認できます。

控除限度額は自己責任

また、この条文では、数行後にもう一度同じ確定申告書等という言葉が出てきて、添付書類記載の雇用者給与等支給増加額を控除の限度とする、としています。これらの支給額は納税者内部の情報なので、自己責任において精度の高い計算処理をしなさい、との趣旨と読めます。

条文を精読したのに

この条文を読み返していると、この制度の適用を忘れてしまった場合、所定別表を添付して修正申告や更正の請求をすれば、税額控除の適用を受けられそうに、読めます。しかし、適用失念で、更正の請求をしたが認められず、訴訟もしたが納税者敗訴になった、という事例があります。

確定申告書等という言葉

租税特別措置法をみると、確定申告書等という言葉は何十回も出てきます。条文によっては、4回も5回も出てきます。その都度、括弧のあるものないものとして出てくるので、何度も出てくる条文では、括弧の有無が重要と理解し易いのですが、2度しか出て来ない場合は、同じ意味かと誤解しそうです。

括弧のない場合の言葉の意味

租税特別措置法では、初めの第2条に用語の意義という条文を置いていて、その中の一つに「確定申告書等」というのがあり、中間申告書と確定申告書を指すものとしています。従って、括弧のないこの言葉からは、修正申告書や更正の請求は除かれることになります。

意味するところは当初申告要件

その結果、当初申告要件とか、当初申告限度額要件とかの制限が生じることになります。

但し、欠損で税額ゼロなので適用不可でも、所定別表を添付しておけば、修正申告で納税額が出た場合、税額控除が可能と言うことでもあります。用心が肝要です。

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