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2018年1月12日 平成30年度税制改正 資産課税編1

先ず、事業承継税制と小規模宅地等の特例の改正について、以下その内容を概観してみます。その他は次回に譲ります。

事業承継税制の特例の創設

現行の事業承継税制(非上場株式の贈与税・相続税の納税猶予)に加え特例措置を創設しました。その内容は次のとおりです。

(1)適用要件の緩和

①全株式が納税猶予の対象となる。

②猶予割合100%。

③雇用要件は弾力化され、5年後に経営の悪化等で平均8割の要件を満たさなくなっても、一定の要件を充足すれば納税猶予の期限は確定しない。

④代表者以外の者からの株式贈与も対象とする。

⑤承継者が贈与者の推定相続人以外の者でも一定の要件を満たせば相続時精算課税の適用を受けることができる。

⑥承継人は最大3人まで可、その全員が代表権をもつ。

(2)環境変化に対応した負担軽減

経営環境の変化を示す一定の要件を満たす場合において、5年経過後に非上場株式の譲渡、合併により消滅、又は解散を余儀なくされた場合には、その時の株式を相続税評価額で再評価して贈与税額等(贈与、相続、遺贈を含む)を計算し、当初の猶予税額を下回る場合には、その差額を、免除する(譲渡、合併の場合には制限あり)。

この特例適用は、平成30年1月1日から平成39年12月31日までの間の贈与等です。しかし、適用可否の重要な点は、平成30年4月1日から平成35年3月31日の5年間に一定の承継計画を都道府県に提出、かつ、経営承継円滑化法の認定を受けていることが前提となっていることです。

小規模宅地等の特例の見直し

(1)持ち家に住んでいない者に係る特定居住用宅地等の特例の対象者の範囲から、次の者を除外する。

①相続開始前3年以内に、その者の3親等内の親族又はその者の同族会社等が有する国内にある家屋に居住したことがある者。

②相続開始時において居住の用に供していた家屋を過去に所有したことがある者。

(2)貸付事業用宅地等の範囲から、相続開始前3年以内に貸付事業の用に供された宅地等(相続開始前3年を超えて事業的規模で貸付事業を行っている者が当該貸付事業に供しているものを除く)を除外する。

適用は平成30年4月1日以降の相続又は遺贈からです。なお、(2)は、同日前から貸付事業の用に供されている宅地等には適用されません。

掲載日時点の法令等に基づいて記載しており、最新の制度と異なる場合があります。
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