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2017年5月9日 免税とは非課税なのか

免税事業者の消費税請求

免税事業者は消費税を請求してよいのでしょうか。あるいは、取引の相手先が免税事業者だとしたら、消費税を上乗せした請求を拒否できるのでしょうか。

中小企業庁は、公正取引委員会と合同で、中小企業・小規模事業者全体に対して広く消費税の転嫁拒否等に関する書面調査を実施しています。転嫁拒否等に対しては、転嫁Gメンという専門職を用意し、対応しています。

転嫁拒否からの救済対象には、消費税の免税事業者も含まれると、書かれています。

免税なら益税、しかし非課税

消費税は、売上先に請求した消費税から仕入れ先に支払った消費税を差し引いて納税することになっています。免税事業者が免除されるのは、いったん成立したその差引額分の納税義務の免除のように推測されます。その免除額は収益となり、いわゆる益税になります。

しかし、裁判所・課税当局・多くの論者はそのようには考えません。納税義務者か否かの判定をする基準期間の課税売上高とは、課税事業者なら税込売上総額の100/108となるべきところ、基準期間で免税事業者だった場合には100/100になるとしています。そして、その理屈は、そもそも売上取引の対価に消費税は含まれていないからだ、ということです。法律上、免税と表現されてはいても、それは非課税のことなのだ、と解釈されています。

非課税だったら損税ではないか

非課税の物・サービスについては消費税が含まれていないとすれば、中小企業庁と公正取引委員会とが合同で消費税の転嫁を応援してくれたとしても、預り消費税はゼロです。ゼロから支払消費税を控除して計算するとマイナス消費税が生じます。

課税事業者ならマイナス消費税は還付されるべき金額です。しかし、免税事業者の場合は還付請求できません。そのまま、消費者と同じく自らの負担とすることになります。

そうすると、これは損税になります。免税事業者には益税が発生している、というプロパガンダは誤っていることになります。特に、免税を人的非課税として捉える、裁判所・課税当局・多くの論者が免税=益税を言うとしたら、明らかな論理矛盾を犯していることになります。

掲載日時点の法令等に基づいて記載しており、最新の制度と異なる場合があります。
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